
[伝統文化プロジェクトの趣旨]
多彩な日本の伝統文化
無尽蔵に存在する、世界に通用する日本の伝統文化
茶道、華道から始まり、絵画、彫刻、工芸、織物、染色の世界。和歌、連歌、俳句など
古典文学一般。和食、和室、風習、園芸(日本庭園、盆栽)、年中行事といった生活文化。
能・狂言、歌舞伎、文楽という舞台芸術。
禅仏教、神道、武士道などの精神文化
*伝統文化を「守る」という姿勢ではなく、進化・発展の途を探究
その結果として保存されるというあり方
*伝統的文化・芸術を現代の資源として積極的に活用
*日本の伝統文化・芸術に基づくglobal standardを日本から世界に発信
[伝統文化と現代-二つの分断]
1.伝統世界と現代社会との分断
*分断境界としての「文明開化」
明治時代の「文明開化」という政策によって、日本の文化・芸術は過去と現代に分断
日本の伝来のものは「文明以前」として、「現代」の文化・芸術は西洋からの輸入
日本の伝統的な文化・芸術は美しいけれども、博物館に陳列するものという観念
現代日本の文化・芸術は欧米式であることを疑うことのない一般通念
ex.日本の音楽教育は小学校から高校まで全て西洋音楽。伝統音楽の教育機会を排除
*このいわれなき分断の克服 伝統的な文化・芸術を現代日本のそれとして活用
2.経済活動と文化・芸術との分断
*効率と低コスト追求型経済からの脱却
*文化・芸術の経済的価値
*経済一辺倒からの脱却 社会体質の改造
*文化・芸術を経済システム、国家戦略に組み込んでいく発想
*優秀な製造技術、ハイテク、IT技法と伝統的文化・芸術資産との合体
*他の国の追随を許さないような「高度付加価値型の経済システム」の確立が急務
*日本の伝統文化は付加価値の宝庫 文化・芸術の経済的価値
ex.“都市ブランド”戦略
*大阪市の「文楽」問題 負のイメージ 大阪にとって不可欠な都市ブランド戦略
「真田丸」人気と大阪の魅力の再認識 歴史資源、伝統文化資源の活用戦略
*「京の湯豆腐」- 同じ湯豆腐でも京都で食するそれは数倍の値段でも厭わない
伝統的文化・芸術の価値による都市ブランド戦略の成功例
モデル・ケース
[伝統文化プロジェクトの四部門]
1.街づくり ― ex.大阪船場地区の再生計画
京都西山の自然と文化を活用した活動
岐阜県関ケ原町と合戦遺跡の活用
富士宮市と富士山岳信仰
「西山文化を語る会」のみなさん
京都西山大原野の景観
2.物づくり ― 京都大学工学部、京都芸大、日文研伝統文化プロジェクトの三者共同プロジェクト
「ネオ西山文化フォーラム」
素材としての「竹」
ex.「竹製電気自動車」 稼動させる環境整備 京都発のエコロジー
2008年、G8洞爺湖サミット 地球温暖化問題
「竹製電気自動車」第1号
(竹の集成材を使用)
3.人づくり ― 精神文化 道徳と人間性
「武士道の現代的意義」
*食品偽装問題 不正の組織的隠蔽
*いじめと虐待 同調志向 独創性と卓越性の消失
*震災・大災害時の慎み深い行動、 略奪・暴動がなく助け合い、分かち合う
*福島原発事故における吉田所長らの行動 「福島50勇士」(中国)
*「日常生活の中に現れる武士道」
CNNの報道
JR南浦和駅での乗客救出
4.劇づくり ― 舞台芸術
*日本の伝統演劇は多くの場合、音曲と舞踊と混然一体となった総合芸術としてある
日本の三大古典的演劇 能・文楽(人形浄瑠璃)・歌舞伎三者三様の個性的・独創的スタイル
世界無形文化遺産 日本は世界に冠たる舞台芸術王国
a. 演劇
*能・文楽・歌舞伎の三大古典劇
*三者ともに独創的スタイル
演劇の様式 ドラマ・ツルギ― 詞章
新作能「六条」 京都・アルティーホール 2008
b. 音楽
*日本の伝統演劇は多くの場合、音曲を伴う「楽劇」
伝統邦楽と西洋音楽(古楽器、管弦楽) との 比較・統合
ex.能楽(囃子、謡曲)、琵琶、浄瑠璃(常磐津・義太夫)
楽劇「保元物語」 待賢門院狂乱の舞
兵庫県立芸術文化センター・大ホール 2011
現代版歌舞伎「豊後掾Bungonojo」終幕 大阪NHKホール 2006
c. 舞踊
日本の伝統演劇は多くの場合、舞踊を伴う舞踊劇
能楽の舞・所作とルネサンス舞踊との比較検討の試みなど
*劇づくりの分野では、2001年から、能・文楽・歌舞伎を基軸とし、これら三大楽劇の現代的展開を追究するフェスティバル「楽劇の祭典」をたちあげて、今日に至っている。この活動の詳細および以上に掲載した作品の説明については下記を参照されたい。
「楽劇の祭典」http://www.gakugeki.org/index.html
演出家マンフレート・フーブリヒト氏ヒ
兵庫県立芸術文化センター・大ホール













